これからの仕事のことを考えてみよう

もしもインターネットがなかったら・・・
昭和のビジネスを再現してみた。

という記事がネットの片隅で話題になっています。

パソコンやインターネットが無い時代、Word/Excelもメールも無い時代の仕事の仕方というのは、それが当たり前になった現在の我々にとっては想像がつきません。しかし、その時代から現代までの「仕事」の変遷を考えてみると、今後の「仕事」というものが見えてきます。

私がパソコンを初めて購入したのは中学生の時(1995年)ですが、「インターネットを使いたい」というのが主な動機でした。「年賀状を作れれば十分だからワープロでいい」と主張する父を、「パソコンだったらプリンタをつなげれば年賀状"も"作れる」と、なんとか説得して買ってもらったのです。

その時に購入したパソコンはWindows95搭載のPC-9821 Cx3(CanBe)でした。プリンタも合わせて、40万円くらいしたでしょうか。私が購入したモデルAはワープロソフトとしてJustsystem一太郎を搭載していました。(モデルBがMicrosoft Word搭載でした。当時は国内では一太郎の方が普及していたのです。)

当然ながら、就職した時点でインターネットやメールを使えるのが当たり前の時代でした。その時代と、記事中にある「パソコンやインターネットが無かった時代」とを比べると、仕事の仕方として大きく違うのは、当時は"完全分業制"だったということでしょう。

何しろ、社内の情報伝達用のエアシューターで送られてくるメッセージを拾うことが専門のメールボーイなる人が居たという話です。現在、電話番やメール番だけをしている人がいたら、真っ先にリストラの対象になるでしょう。

反対に言うと、現在は資料の作成からプレゼン、情報伝達(メール)までなんでもかんでも一人でやるようになった、すなわち自己完結的な仕事の仕方になったとも言えます。現在でも、ある程度忙しくなってくるとアシスタントや秘書を付けたりして、一部分業したりしますので、"やるようになった"というよりは、"できるようになった"というべきでしょうか。

分業から自己完結へという流れに沿って、未来に向けて考えてみると、今後、我々一般のオフィスワーカーは、何を自分でやるように(あるいは、できるように)なるのでしょうか?

その一つとして、私は"データ分析"を個々のオフィスワーカーが行うようになるのではないかと考えています。なぜならば、今後、通り一辺倒の定型間接業務を行う人員というのは急速に不要になり、考える業務しか残されないからです。

情報を右から左に流すだけの業務は、ほとんどが自動化され、コンピュータに取って代わられます。CRMやBIツールの発展により、単なる計数をまとめただけの報告資料は自動で生成されるようになります。freeeなどの会計ソフトの発達により、経理処理は自動化されていきます。IBM WatsonなどのAIの発達により、単なる電話受付や問い合わせ処理もコンピュータが自動で対応してくれるようになります。また、IoT(Internet of Things)あるいはIndustorie 4.0という流れにより、生産管理の中の調整業務も自動化されていくことでしょう。生産管理部門と営業部門の調整の場である、製販会議というものも不要になるかもしれません。残るのは、なにがしかの判断を伴う業務だけです。

判断の根拠となるのは、データです。そのため、データを分析することが、今後のオフィスワーカーの主要な業務の一つとなるでしょう。折しも、MicrosoftがPowerBIというBIツール無償化*1しました。Word/Excelがパソコンに標準インストールされることで、資料作成を自分でできるようになったように、BIツールも無料で手に入るようになったので、データ分析を自分でできる時代になってきました。

今の時点で、データ分析が主要な業務の一つとなる、と言っても、ピンと来ないかもしれません。しかし、パソコンもインターネットも無かった時代、オフィスにいる時間のほとんどをWord/Excelやメールと睨めっこしているようになると誰が想像したでしょうか?今後は、Word/Excelで作成するような文書は自動で生成されるようになってきますので、その時間は不要になり、別の業務に
割り当てられます。その一つがデータ分析となるでしょう。

コンピュータやインターネットの発展は、今後も留まることはありません。
その流れの中で、仕事の自己完結化は、ますます進んでいきます。
そんな中、「これからの仕事」はどのように変わっていくのでしょうか。
あなたは、どのように考えますか?